武蔵境駅南口路上に残る高架化工事の跡

中央線三鷹・立川間の連続立体交差は長い工事だった。いや、まだ過去形では書けないのかもしれない。武蔵境駅前は、北口に市政センターなどの入居する新施設ができてようやく完成形になったようだが、よく見ると手つかずの空き地が駅前の一等地に残っている。

ということで、南口の超一等地に今も残る空き地と、その足元に残る工事の跡をご紹介する。

煤けた建物はパン屋「リトルマーメイド」で、高架化工事の中でも生き残り、地平時代の雰囲気を今も残している。手前の空き地は橋上駅舎から地上への階段が延びていたところだ。

そして、アスファルトに残る「レベーター」の文字。これが高架化工事の過程を今に伝える証人である。

高架化工事の始まる前、武蔵境駅は自由通路を兼ねた橋上駅であった。工事が始まると駅舎は取り壊されたが、自由通路の機能は建造中の高架橋を器用に避けながら維持されていた。その一時期に存在した仮設のエレベーターへ歩行者を誘導するのが、写真に写っているペイントである。

私が武蔵境駅を通勤に利用していたのは上り線が高架になった直後の一時期だけだった。高架化自体は完成していたわけだが、駅構内はまだグチャグチャで、南口からだと線路上空をいったん跨いで北口側に少し下り、そこから上り線の仮ホームに出ていたのだったか。とにかく上り階段が長く、うんざりした覚えがある。この頃も自由通路に仮設のエレベーターがあって、疲れたときは利用していたが、件のペイントの指し示していたエレベーターがそれだったかは自信がない。

nonowaになりきれなかったこの空き地も、いずれ何かができるのだろうか。そしてその時、道路上のペイントもきれいに消えてしまうのだろうか。

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