ムーバス 境南・西循環ダイヤ改正(2020/4/1)

2020年1月末、ムーバス 境南・西循環のダイヤ改正が発表された。改正日は同4月1日だ。

内容を見ると、まさに大改正で驚いた。
当サイトでも取り上げていた「1周20分で回れない問題」を抜本的に解決すべく、運転間隔を15分に縮めたうえ、1周30分とする内容だ。
なお、ムーバス全系統にわたって同日から土休日ダイヤが導入され、境南・西循環では朝3便、夜3便がカットされる。

これまで1台のバスで運行していたところを2台にするということで、車両費、人件費ともに大幅にアップすることは確実だ。
それを断行するということは、武蔵野市が境南・西循環の現状を深刻に受け止めているということの表れだろう。三鷹市民としては、恐縮だがありがたい話である。

前回(2019年4月)のダイヤ改正では、東西で乗り場を共有する武蔵境駅南口において、東循環の00・20・40分発に対し西循環を02・22・42分発と限界まで接近させ、武蔵野赤十字病院での時間調整を武蔵境駅南口へシフトするという小修正が行われた。
以前よりは多少乱れにくくなったように思うが、雨の日など混雑時に「1周20分で回れない」という根本的な問題は当然ながら解決せず、今に至っていた。

バス乗務員の勤務について詳しくは知らないのだが、勤務中、定期的に一定の休憩時間をとらねばならないということは想像できる。1周20分だとダイヤ上での休憩時間が1周あたりわずか2分だそうで(武蔵野市地域公共交通活性化協議会の議事録による)、しかも実際にはこの2分すら確保できないことが多いので、問題視されていた。一時期「22分間隔化」されたのも休憩時間確保のためだということだ。
今は武蔵境駅南口で交代乗務員が待機し、乗務員交代するシーンを結構目にする。乗りっぱなしだと休憩時間を確保できないので、非効率だが乗務員交代の回数を増やして休憩時間を確保しているのかもしれない。
2020年4月の改正で、境南・西循環は1周30分の運行となる。これだとダイヤ上、1周あたりの休憩時間が10分は確保できる。これにより乗務員交代の回数が減り、駅~営業所間の往復のロスが減るので、バスの台数が2倍になっても乗務員が2倍必要という話にはならないのではないか。
また乗務員交代について、ずっと以前は武蔵境営業所停車中に交代していたと思うが、最近はわざわざ駅前まで軽自動車で出向いて行っている。このようにした理由は不明だが、これを営業所での交代に戻せば、さらに効率は上がるように思う。

利用者からすると、滅多なことでは遅れないという安心感がある一方、武蔵境駅をまたぐ利用では時間のロスが大きくなるというデメリットもある。
たとえば「武蔵野赤十字病院→富士見商店街西」だと、現状の所要時間が12分のところ、改正後は実に20分となる。ムーバス自体「歩きたくない人」をターゲットにしたものだろうから所要時間は度外視でよいのかもしれないが、順調に走ると武蔵境駅南口で10分以上待つことになり、さすがにじれったい。それでもCoCoバスの東町循環よりは多少マシか。

また、駅前での有り余る待ち時間をどう過ごすのかも気になるところだ。
東循環は20分間隔のままだから、便によっては「東循環より先に着いて後に出る」ということになる。順当に考えると西循環は降車場で待機することになるが、その間、西循環を待つ人は乗れない。「来ているのに乗れない」というのは、雨天時や暑い日、寒い日など、特に不評を買うと思う。
先般のバス乗り場整備では降車場に屋根が設置されなかったので「西循環と東循環で乗り場を分離する」といったことは考えられていないと思うが、「待ち時間が多いときは、降車場で待機中のバスにも乗車可能」といった柔軟な運用になってくれればいいなと思う。

ともあれ、乗車チャンス3割増と定時運転率の大幅アップは間違いなく福音であり、土休日の運転時間帯縮小を補って余りある。
今、あらためて「武蔵野市地域公共交通活性化協議会」の最新の議事録を読み直したが、事業者も武蔵野市も、現状のムーバスについて「赤字」かつ「運転士の深刻な人材不足」と認識しており、どちらかというと利用率の低い便を減らすという検討がなされそうな雰囲気である。
そんな中、境南・西循環について、このような積極的対応をとった武蔵野市と小田急バスには敬意を表したい。

(2020/7/28追記)
実際には改正直前にコロナ騒動があり、上記ダイヤ改正による15分間隔化は今日時点で行われていない。
自粛ムードで公共交通の苦境が続く中、15分間隔化は幻で終わる可能性もある。

一方、休日ダイヤの導入(始発の繰り下げ・終発の繰り上げ)は予定どおり実施され、土休日は減便となっている。

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